米電気自動車べいでんきじどうしゃ（ＥＶ）大手おおてテスラは２３日にち、１～３月期決算がつきけっさんを発表はっぴょうした。調整後利益ちょうせいごりえきは前年同期比ぜんねんどうきひ４８％減げん、売上高うりあげだかは９％減げんでいずれも市場しじょうの予想よそうを下回したまわった。売上総利益率うりあげそうりえきりつも２ポイント低下ていかした一方いっぽうで、同社どうしゃは２０２５年後半ねんこうはんに生産せいさんを開始かいしする低価格ていかかくモデルの計画けいかくを発表はっぴょうし、投資家とうしかを安心あんしんさせた。

テスラはこの低価格ていかかくの新しんモデルについて、目標価格もくひょうかかくや生産台数せいさんだいすうなどの詳細しょうさいを明あきらかにしなかった。イーロン・マスク最高経営責任者さいこうけいえいせきにんしゃ（ＣＥＯ）とテスラには発売はつばいスケジュールを守まもらない歴史れきしがある。しかし低価格ていかかくモデルの開発かいはつをまだ進すすめているという約束やくそくは、低価格ていかかくモデルの計画けいかくを完全かんぜんに中止ちゅうしするという報道ほうどうがあった中なかで安心材料あんしんざいりょうとなった。

マスク氏しは投資家とうしかとの電話会議でんわかいぎで、新あたらしい低価格ていかかくモデルについては淡あわあわ々と説明せつめいした一方いっぽう、現在げんざいあるいは将来しょうらいのＥＶよりもはるか先さきの見通みとおしを刺激的しげきてきに語かたった。同氏どうしは改あらためてテスラの人工知能じんこうちのう（ＡＩ）能力のうりょくと自動運転技術じどううんてんぎじゅつを引ひき合あいに出だし、年内ねんないには競合きょうごうする自動車じどうしゃメーカーにライセンス供与きょうよされる可能性かのうせいがあると話はなした。人型ひとがたロボットの計画けいかくや、テスラとテスラ車しゃの所有者しょゆうしゃが共同きょうどうで所有しょゆうする何百万台なんひゃくまんだいもの無人むじん「ロボタクシー」の展望てんぼうについても語かたった。

同氏どうしは「我われわれ々はＡＩロボティクス企業きぎょうとしてみなされるべきだ。テスラを単たんなる自動車企業じどうしゃきぎょうとして評価ひょうかするならそれは間違まちがった枠組わくぐみだ。テスラがオートノミー（自律性じりつせい）を解決かいけつすると信しんじていない人ひとは、テスラへの投資家とうしかになるべきではない」と述のべた。

これは、テスラがまだ財務的ざいむてきに苦境くきょうに立たたされていたころの同氏どうしの典型的てんけいてきな呼よびかけだ。同氏どうしは投資家とうしかに未来みらいへの希望きぼうを抱いだかせるため、大おおきな変化へんかをもたらす技術革新ぎじゅつかくしんを約束やくそくした。

マスク氏しのこの試ここのみは一定程度成功いっていていどせいこうした。今年ことしに入はいってから２３日にちの取引終了とりひきしゅうりょうまで４２％値下ねさがりしていたテスラ株かぶは、第だい１四半期しはんきの振ふるわない業績ぎょうせきにもかかわらず、時間外取引じかんがいとりひきで１１％上昇じょうしょうした。